【動作・歩行・呼吸の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が心身に及ぼす影響と、その改善方法・予防方法をこのブログでお伝えしています。
病院に勤めていた頃から、怪我や病気の受け止め方や回復のスピードなどで男女差があることを感じてきました。
女性はライフステージによって身体も心も大きく変化する性であり、その知見を【ウィメンズヘルス】と言います。
わたし自身が女性ということもあり、女性にとって特に重要な【骨盤底筋群】や【骨盤】、その周囲の筋肉などについて、歩行や胸郭、また呼吸との関係を書いています。
昨日、一昨日は【仙腸関節】と【生理】、【仙骨】と【生理痛】のカンケイについてお話しました。
この投稿でもお話ししたのですが、仙骨の周りにはたくさんの神経が走っています。
骨盤の中央にある仙骨の周囲は多数の血管と神経が通っています。人間の身体の中でも最も長く太い神経である坐骨神経もここを通っており、仙骨を温めることで血管も血液も温められ、血流がアップします。
【理学療法士と知る】仙骨と生理痛のカンケイ より
今日はこちらに関連して、女性のお悩みにも深く関わる【自律神経】と【仙骨】について書いていきたいと思います。
肩こりや、雨の日の頭痛、そしてPMS・PMDD、脚のむくみや冷えなどは、女性に多いマイナートラブル・お悩みですね。
私自身も疲れが溜まったり、落ち込んでしまうようなことがあるとPMSが強く出たり、気圧によって頭痛がひどくなったりします。
これらのマイナートラブルやお悩みに対して、よく「【自律神経の乱れ】が原因です」という特集や広告を見かけます。
整体院やセラピー、またクリニックなどでも診断を受けたことがある方も多いのではないでしょうか。
【自律神経の乱れ】が原因でこのようなお悩みが出ていることは概ね間違いはありません。
だけど、そもそも【自律神経】とは何なのか。また、どんな役割があるのか。
皆さんはご存知でしょうか。まずはそこを詳しくお伝えしていきます。
私たちの身体の中で、大事な神経は背骨に守られ走っています。
そして、その背骨の中を走る神経には大きく2つの種類があります。
それは【自律神経】と【体性神経】です。
【自律神経】とは、内臓や血管などに作用し働きを整える役目を持つ神経です。
【体性神経】とは、手足を動かす役目を持つ神経です。
体性神経が司る手足は私たちの意識で動かすこともできますが、自律神経が司る内臓や血管は、意識通りに動かすことはできません。
意識しなくても勝手に呼吸をしたり、胃や腸を動かして食べ物を消化したり、 体温を調節したり維持できるのは、この【自律神経】が無意識下で働いてくれているからなのです。
また、自律神経には交感神経(活動的・能動的な時に活発になる)と 副交感神経(休息・リラックスするときに活発になる)があります。
この真逆の役割がシーソーのようにバランスを取って働くことで身体の調整を行っています。
そのため、【自律神経が乱れる・バランスが崩れる】と、上手く眠れなかったり、リラックスできずに疲労物質や疲れ、老廃物が身体に溜まったり、血管の調節が上手くいかずに生理痛が強くなったり、気圧によって頭痛が起こったり、体温調節が上手くいかずに冷えたり、というマイナートラブルが引き起こされることに繋がります。
また、自律神経も体性神経も、脳から始まり背骨の中を通って少しずつ分岐して、それぞれの臓器や血管に繋がっていきます。
交感神経(活動的・能動的)は、背骨の胸の部分(胸椎)と腰の部分(腰椎)の横から分岐し、それぞれの臓器や血管へ向かいます。
副交感神経(リラックス)は、背骨の首の部分(頸椎)の横とお尻の部分である仙骨の穴から分岐し、それぞれの臓器や血管へ向かいます。
この中でも仙骨は身体の表面に近く、脂肪や筋肉も少ない箇所にあります。
そのため、仙骨部分を温めることで効果的に副交感神経を刺激し、リラックスを促すことができるのです。
しかし、諸刃の剣のようなもので、歪みやすい骨盤、そしてそれに伴い歪みやすい仙骨によって、副交感神経にも不要な刺激や左右差が生じ、自律神経の乱れに繋がってしまうこともあるのです。
だからこそ、骨盤を整えることや、骨盤の歪みを防ぐような姿勢・運動習慣は女性にとって重要ともいえるのです。
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なぜ、自律神経が乱れるとマイナートラブルに繋がるのか。
また自律神経を整えるのになぜ骨盤や仙骨が重要なのかは、お分かりいただけましたでしょうか。
骨盤や身体の歪み、姿勢・動作の改善には、客観的な指導があることが一番効率的かと思います。
ご自分の身体で気になる部分のある方は、動作・歩行・姿勢・呼吸の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体をチェックしてみることはいかがでしょうか。
現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズもお伝えできます。
お気軽にご相談ください。
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