【動作・歩行の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が心身に及ぼす影響と、その改善方法・予防方法をこのブログでお伝えしています。
これまでの記事で、【姿勢の悪さ】がどのように腰(腰椎)や骨盤へ影響を与えるかを書いています。
【悪い姿勢】は腰椎や骨盤などの骨格に悪影響を及ぼすだけではなく、肋骨や背骨の中にある内臓や、骨盤の中にある内臓、そして【骨盤底筋群】という筋肉にも影響を及ぼします。
この【骨盤底筋群】とは、女性にとってかなり重要な筋肉なのです。
図は骨盤を上から除いた状態です。この中で骨盤底筋群は、その名の通り【骨盤の底】にある筋肉のことを言います。
骨盤は恥骨、坐骨、尾骨という3つの骨から成り立っていて、骨盤底筋群はこの3つの骨にくっついています。この骨盤底筋群は、骨盤の中の内臓、つまり【膀胱や子宮、直腸】を支えています。
骨盤底筋群には内臓を支える以外にも役割があります。それは【排泄のコントロール】です。骨盤底筋群は便意や尿意があると緩み、排泄しやすくします。
骨盤底筋群が弱ってしまうと、このコントロール力も弱まってしまいます。具体的には【尿漏れや頻尿】といったトラブルが生じやすくなってしまうのです。
骨盤底筋群が弱る要因で最も多いのが【出産】です。
出産(経膣分娩)によって、骨盤底筋群や靭帯、筋肉を包む膜などが伸びたり断裂することで力が弱まってしまいます。
骨盤底筋群は手足と同じく【骨格筋】と言われる筋肉です。運動不足だと手足の筋肉が衰えるように、骨盤底筋群は出産以外に【肥満・加齢・運動不足】によっても、力が落ちてしまう場合があります。
そのため出産経験が無くても、また30代の方でもこの骨盤底筋群が実は弱ってしまっていることも多いのです。
骨盤底筋群は、運動不足自体や、筋力不足からくる姿勢の悪さから力が弱ってしまう場合もあります。その他にも便秘がちでトイレでいきむことが多かったり、アレルギーなどで咳やくしゃみが多い方も、骨盤底筋群に負担をかけている可能性があります。
「今は別に尿漏れもないし、頻尿でもないし」と、特に困る症状が出てない方も多いと思いますが、ふとしたきっかけで症状が出てくる可能性はあります。
インナーマッスルの1つである【骨盤底筋群】が女性にとって重要な筋肉であることは間違いありません。
早い段階からトレーニングを習慣化したり、姿勢改善・骨盤の歪みを改善して筋力の低下を予防することはとても大切です。
年代に関わらず、女性は一度、専門家の下で骨盤をチェックしたり、姿勢改善や筋トレに取り組むことで生活へ大きなプラスの影響があると考えています。
姿勢改善には、客観的な指導があることが一番効率的かと思います。
自分の姿勢が気になっている方は、歩行の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体と歩行をチェックしてみませんか?
現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズもお伝えできます。
お気軽にご相談ください。
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