股関節・骨盤周囲へのアプローチは効果が出やすい
【動作・歩行の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が心身に及ぼす影響と、その改善方法・予防方法をこのブログでお伝えしています。
運動不足解消にも、また女性の天敵である冷えの解消にも、歩行がとってもオススメだと考えています。
加えて、歩行の効果をUPさせるためには股関節のストレッチが効果的ということや、骨盤の歪みが原因で起こる身体への影響やや改善方法などを中心に投稿しています。
股関節や骨盤周囲のストレッチやトレーニングは身体への効果が現れやすく、まず取り入れることが望ましいと考えています。
今日はそれがなぜなのか、お伝えしていきたいと思います。
理由その①:股関節は最も大きく丈夫な関節のため
人間の身体には200以上の関節があります。その中で股関節は最も大きい関節です。
股関節は骨盤側にあるへこんだ部分に太ももの骨(大腿骨)の丸い頭がすっぽりと入り込んでいます。その周囲を太い靭帯が何重にも関節を囲んでいる形状であり、とても安定性の高い関節と言えます。
上半身と下半身を繋ぐ関節であり、体重をしっかり支えるためにかかる負担が大きく、その機能を果たすためにこれだけ大きくて丈夫な関節となっているのです。
理由その②:股関節にかかる負荷が大きいため
このように大きくて丈夫な股関節には、歩くだけで体重の3~4倍もの負担がかかります。さらに椅子から立ち上がったり、階段を上り下りする動作などでは、最大で体重の6~8倍もの負荷が加わります。
股関節はこれらの負荷に対して安定性を求められる関節であり、さらには歩行や立ち上がり、階段昇降など、動作に対して柔軟に動けることも求められる関節なのです。
理由その③:複数の筋肉が働く関節であること
股関節は、前後にも左右にも、また捻り(あぐらをかくなど股関節を中心に内外へ捻るような動き)の動作にも対応できることが必要な関節です。
そのため、複数の筋肉が股関節を囲みます。
お尻の表層にある大臀筋や中臀筋、太腿の大腿四頭筋やハムストリングスだけではなく、深層にあるいわゆるインナーマッスルと呼ばれる腸腰筋や外旋六筋など、数多くの筋肉が働いています。
腸腰筋は骨盤から背骨に向かって走り、骨盤の歪み改善にも関わる重要なインナーマッスルの1つです。
股関節を囲む筋肉の中には【抗重力筋】が多く、歩行のときにもしっかりと働く筋肉になります。
さらに、【正常歩行】では、この抗重力筋が働きながら身体を前に、遠くに運びます。
立位姿勢では動きがほぼないので、抗重力筋群は一定の長さ・状態で力を出して身体を支え続けるだけなのですが、【正常歩行】では動きがあるため、抗重力筋群が伸び縮みしながらも力を発揮し、重力に反して身体を支える、ということになります。
より効果的に【抗重力筋】を活性化させ鍛えてくれる効果が【正常歩行】にはあるのです。
【理学療法士が考える】正常歩行のメカニズム より
股関節の構造や機能から考えると、正常歩行を取り入れたり、股関節のストレッチや筋トレを取り入れることで、数多くの筋肉が活性化し、働きやすくなります。
このように生活の中の動作で働く場面が大きい股関節にアプローチをすることで、効果も感じやすくメリットが大きくなるのです。ぜひ、ストレッチやトレーニングを取り入れてみてくださいね。
姿勢や歩行が気になる方は、歩行の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体と歩行をチェックしてみませんか。
現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズもお伝えできます。
お気軽にご相談ください。
コメント