【動作・歩行・呼吸の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が心身に及ぼす影響と、その改善方法・予防方法をこのブログでお伝えしています。
わたし自身も女性であり、これまで女性特有の身体の悩みを数多く抱えてきました。
女性にとって特に重要な【骨盤底筋群】や【骨盤】、その周囲の筋肉などについては今でも学び続けています。
骨盤と関連の深い歩行や胸郭、また呼吸や生理との関係もブログで書いていますので、ぜひ併せて読んでみてください。
昨日は、肩こりが呼吸の浅さを招き、呼吸の浅さが肩こりを招く、というお話を投稿しました。
今日はさらに、【肩こり・首こり】が【自律神経のバランス】を乱すというお話をお伝えしたいと思います。
まずは、以前に自律神経に関して書いた投稿から改めて自律神経の役割を抜粋します。
私たちの身体の中で、大事な神経は背骨に守られ走っています。
そして、その背骨の中を走る神経には大きく2つの種類があります。
それは【自律神経】と【体性神経】です。
【自律神経】とは、内臓や血管などに作用し働きを整える役目を持つ神経です。
【体性神経】とは、手足を動かす役目を持つ神経です。
体性神経が司る手足は私たちの意識で動かすこともできますが、自律神経が司る内臓や血管は、意識通りに動かすことはできません。
意識しなくても勝手に呼吸をしたり、胃や腸を動かして食べ物を消化したり、 体温を調節したり維持できるのは、この【自律神経】が無意識下で働いてくれているからなのです。
また、自律神経には交感神経(活動的・能動的な時に活発になる)と 副交感神経(休息・リラックスするときに活発になる)があります。
この真逆の役割がシーソーのようにバランスを取って働くことで身体の調整を行っています。
そのため、【自律神経が乱れる・バランスが崩れる】と、上手く眠れなかったり、リラックスできずに疲労物質や疲れ、老廃物が身体に溜まったり、血管の調節が上手くいかずに生理痛が強くなったり、気圧によって頭痛が起こったり、体温調節が上手くいかずに冷えたり、というマイナートラブルが引き起こされることに繋がります。
肩こりを感じる時に、特に疲労が溜まって緊張していることが多いのは、肩周囲で最も大きな筋肉である【僧帽筋】です。
そのほかにも、胸鎖乳突筋や頭板状筋、菱形筋なども緊張していることが多いです。
図を見ていただくと、肩こりの筋肉でも【首周り】から走っていることが分かるかと思います。
この首周囲のこりが【自律神経のバランスを乱し副交感神経の働きが低下する】ことが科学的に証明されているのです。これによって、頭痛や頭重、全身倦怠感、めまい、不眠や睡眠の質低下、イライラ、動悸、血圧不安定、発汗、目の乾燥など、さまざまな不快な症状に繋がることがあります。
特にデスクワークが中心の生活だと、なかなか肩こりの改善が難しい時も多いです。仕事中の姿勢を見直し、身体への負担を減らしましょう。
具体的には、パソコン(モニター)は目線より高く、椅子には浅く座りましょう。ラップトップだと目線が低くなりがちなので、モニターを使用したり、ラップトップにはPC台を利用して画面は目の位置以上にして、別途キーボードを使用するといいですね。
また、椅子に深く腰掛けると背骨が丸まり猫背になりやすくなります。そのため、浅く腰掛けたり、骨盤の後ろにタオルを挟むなど意識しましょう。
※こちらで座り姿勢について詳しい書いています
当たり前になり過ぎて、なかなか改善に着手しにくい肩こりですが、やはり放置することは好ましくありません。まずは今日できる少しのことから取り入れてみませんか?
また、「しっかり改善しよう」と思われた場合は、やはり客観的な指導があることが一番効率的かと思います。
動作・歩行・姿勢・呼吸の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体をチェックしてみることはいかがでしょうか。
現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズもお伝えできます。
お気軽にご相談ください。
また、もっと知りたいことやわからないことがあったら、是非お気軽にコメントや連絡いただけると嬉しいです。
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